毒舌プリンスの甘いささやき【完結】
「ったく。世話のかかる人ですね」

『いつも・・すいません』

ガタン、と揺れる。

広瀬君の両腕に、力が入る。

私は思わず両手を広瀬君の両脇に伸ばし
広瀬君の制服をつかんだ。

『ご、ごめんっ』

手を離そうとしたとき

「手、離さないでください」

と、視線をそらしたまま、広瀬君が言った。

私はもう一度、制服をつかみなおした。
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