毒舌プリンスの甘いささやき【完結】
『ヒ・・ヒカル・・君・・』

「ハイ」

『明日、逢おうね。』

「ハイ」

抱きしめられたまま
ぎこちない会話。
2人の心臓が ドックン ドックンと
リズムを刻む。

光君はゆっくりと私を離し、くるりと振り向かせて、向かい合う状態になった。

「ずっと、自分の名前、嫌だった。
 でも、今、美月さんに名前を呼んでもらって
 はじめてヒカルって名前でよかった、って
 思った」

そう言って、光君は今まで見たこともないような笑顔を見せた。

きゅん、って
胸の奥が
苦しくなった。

「中、入ってください」

『うん。じゃ、明日ね。』

私は光君に手を振り、家の中に入った。
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