毒舌プリンスの甘いささやき【完結】
場違いな気がして、心細くなってきた。

―――光君、まだかな・・

後ろから、ドン、と突き飛ばされる。

モデルさんが大勢のカメラマンに囲まれて、花束を両手に持って後ろ向きで歩いてきた。

床に転んだまま
『す、すいませんっ』と私。
「ちょっと!
 どこ見て歩いてんのよっ」
『・・・すいません』

モデルさんは、再びカメラマンを大勢ひきつれ、控室へと消えていった。

立ちあがると、ヒールの踵が片っぽ折れていた。

―――あーあ。。。

心細くて、情けなくて、
もう、泣きそう・・・
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