毒舌プリンスの甘いささやき【完結】
「だったら、何故泣いてるんですか」

『泣いてないっ。雨だもんっ』

光君が私の正面に立つ。

私は、下を向く。

光君が、私の顎をクイっと持ち上げ
そっと
顔の
涙なのか雨なのか。を、
親指で拭う。
私は顔をそむける。

光君の手が、今度は私の頬に触れる。
やっぱり私は、再び顔をそむける。


「ちゃんと、言ってください」

『言うことなんて、ない』
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