毒舌プリンスの甘いささやき【完結】
一通り壮行会が終わり、みんなが帰っていく。
椅子の片づけなんかは、なんと送り出された部活の部員たちが、翌日の朝にやることになっている。

私はみんなに見つからないように
倉庫へと向かう。

重い扉をガラっと、なるべく音を立てないように開けて
中に入る。

―――光君、まだ・・かな?

扉を閉めると、隙間から入る薄い灯りしかなく
暗がりの中、手探りで跳び箱やマットを避けながら
奥へと進む。


突然、手を引かれた。

マットに当たってよろけると、
腰に手が当てられてぎゅっと引き寄せられる。


光君・・・!

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