毒舌プリンスの甘いささやき【完結】
『光君、似合うね、カウボーイ』

と、ひそひそ声で。

腰に回された手は離れることなく
目の前には、光君の開いた胸元。
帽子がときどきぶつかって、上を向けない。

「当然です。僕が着こなせないものなんてないですから」

『はいはい』
ふふっと、笑う。

「さっきから、邪魔なんですけど」

『え?』

光君が私の帽子を取り、下へと落とす。
それから自分の帽子も脱いで、下に落とした。
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