毒舌プリンスの甘いささやき【完結】
涙と鼻水で、
もう顔がひどいことになってる。
でも、言わずにはいられなかった。
ガマンできなかった。

このバカ男が
二度と生きて私の前に現れないように
ハッキリと言ってやらなきゃ、って
思ったから。

「っんだよ、つまんねー女」

そう言い残して、カズは私と光君の心をぐちゃぐちゃにしたまま帰っていった。

私は靴を片方脱いで、カズに向かって思い切り投げる。


ガツッ!

「痛ってーな!」

『バカ!バカバカ!バカバカバカ!』

「わ、わかったよ。なんだよもう・・」

カズが、走っていく。
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