【完】『けったいなひとびと』
限定販売した『京の水』の評価はかなりの好評で、
「今まで化粧水が合わなくて困ってたのが嘘みたいです」
「こういう化粧水を探してた」
というような評価が並んだ。
次に開発されたのは酵母を使った石鹸で、これもまた舞が試した。
臨床データは問題がなかったので商品名を決めることになったのだが、
「京の水の次やから『京の石鹸』でよろしんちゃいまっか?」
という駿の案が再び採用され、これもまた発売に至った。
ネットで限定五百個だけ販売したが、これも十五分で売り切れた。
「このシリーズ、看板になるんじゃないかな?」
ここまでくるとそうなるのも不思議ではない。
さらに酒粕を使ったハンドクリームを出したのだが、これも限定で五百個だけ売り出すと次は十分で売り切れ、ネットのオークションで転売品が出るまでになった。
「これは、いける」
こうなると生産は早かった。