【完】『けったいなひとびと』
さやかはワインを含むと、
「まぁ見てる限りだと、さとみちゃんや広報の三浦ちゃんとうまく仕事できてるし、何より創業家に気に入られてるのがモテる証じゃないかな」
「そういうもんでっか」
柏木が相槌を打つ。
「だって同性に好かれないと、異性に好かれないでしょ?」
さやかの前にお好み焼きが来た。
「私は人を見るとき、その人が同性から好かれてるか好かれてないかを見るのね」
「それは理由は?」
「同性に好かれてない人は大抵、どこかに致命的な問題点がある人なわけ」
「あー…」
駿は何となく得心がいった。
「つまり同性から好かれてない人は問題点があるから、異性にも好かれないし、仕事ってのは人間がするものだから、好かれない人と組んでもうまく行かないし効率は悪くなるしで、結果も出ないってことになるのね」
さやかは切り分けられたお好み焼きを一口食べてみた。
「…熱いっ!」
ハフハフ言いながらワインを飲む。
「これ、お酒に合うのね」
「おぉきに」
柏木が笑顔になった。