【完】『けったいなひとびと』
秘書室にはさとみと舞がいる。
「…堤くんは?」
「晴加先輩なら先ほど外出しました」
さとみは答えた。
「…もしかしたら」
「何かあったんですか?」
「秘書室で管理しているスケジュールデータがネットに流出した」
「…えっ!?」
「それで堤くんに嫌疑がかかっている。われわれ秘書室としては堤くんの無実を信じているので、堤くんに出来るだけ早く戻って来てもらって、釈明の場を与えたいのやけど…」
「まさか…」
さとみはパニック状態になっている。
「こないだ晴加先輩、あのイケメンの弁護士と一緒に同伴出勤してたけど…」
「イケメンの弁護士?」
さとみは口が滑ったことに気づいたが、もう遅い。
「あの、秀島社長の知り合いだかって、竹内さんだかって人…」
駿は初耳である。