嘘つき赤ずきん 思春期オオカミ
「やぁ〜ここは、天国ですねぃ♪♪」
明るく言い放つ鈴の肩をそっと叩く、華奢で白い手。
一瞬、女の子だと思ったが女の子にしては骨ばった手。
鈴が振り返ると、そこには赤髪の少年がいた。
「あの……」
「……何?」
鈴が、小首を傾げれば少年は小さく呟いた。
「僕、生徒会の者なんですけど……その……」
途切れ途切れに言葉を繋ぐ少年。
すると、背後から聞こえた真央の声。
「……怜乃(レノ)?」
「……真央?良かった、真央がもう説明してたんだね」
少年の、中性的な顔が安堵したように笑んだ。
説明?と、真央が不思議に思うがすぐに思い出す。
「ああ、新生徒には説明すんだっけ」
「そう、真央がもう説明してんたんだね、ありがとう」
「え?……ああ、うん」
(やっべえ、何もしてねえ……)
怜乃は、微笑むと4人を見つめた。
そして、お辞儀をすると4人に告げた。
「……では、今から生徒会室に行くので、ついてきてください」
4人は、再び首を傾げた。