全てをこの風に乗せて


「よいっしょ♪」

ジャージは楽でさいこー♪

人をダメにするクッションに

座って手を伸ばす。

「うー」

と、届かない……

手をひらひらと学校の鞄に伸ばす

「とぉーれーた!」

美天に「何しに学校来てるのです?」と

言われて怒られた鞄をとった。

中からゲーム機を取り出す。

「じゅーでん♪」

2台のゲーム機とスマホを充電器にさす




ひらりと、薄い桃色が舞った。




「……あ」


それは、下駄箱に入っていたメモだ。

2枚の紙を広げる。

大きい方は私のテストの答案

この2枚を入れたのは高木くん……

小さい方は可愛らしいメモ用紙

きっと、女子から貰ったのだろう

白に近い、薄花桜色のメモ用紙だった。


そこには、


『拾いました。点数勝手に見てごめん。

もう少し勉強した方が良いと思う…

高木 龍太』


と書かれていた。





高木くん、拾ってくれたんだ……





これはお手紙、だよね



「返さなきゃ♪」


あっ…

便箋と封筒なんて私持ってない!



ゲームやパソコンの配線しかない部屋に

そんなものがあるはずが無かった。



この時間ならまだ…


妹の詩織(しおり)が塾に行ってるはず

帰りに買ってきてもらおう♪


連絡をすると数秒で



『まかせて(*`・ω・)ゞ』



と返ってきた。



塾ってお勉強する所…だよね?と

詩織の返信の速さに驚きつつも

心の中は高木くんにどう返事を書くかで

わくわくしていた。
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