全てをこの風に乗せて
羽柴花織の下駄箱に手紙を入れて、

俺の下駄箱に返事が来る。

そんなやりとりを続けて

羽柴花織についてわかったことがある。


病弱で学校に通えていなかった事。

嘗ていじめにあいトラウマがある事。

この2つが教室へ来ない理由らしい。


そして、驚いたことに…

頭は良いらしい……。

小テスト0点なのに、

最近行われた中間試験では

トップ3入りしていた。

その次の日の手紙で俺が

『うらぎりものー!』と書いたら

『そうでもないですよ〜』ときた。

最初から裏切られていたのか……


勉強で悩んでいる事や進路の事など

自分の事も書いては相談していた。

彼女の頭の良さを知ってからは

勉強を手紙で教えてもらうという

謎なことまでしてもらっている。

手紙なのにわかりやすくて驚いた。



どんな内容よりも彼女が喜ぶのは

クラスでの何気ない日常を書いた時だ。

可愛らしい落書き付きで返ってくる。





いつか彼女の姿を、

見ることが出来たなら…



まだ見たことのないクラスメイトの姿を

見てみたいと常に思うようになった。


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