全てをこの風に乗せて
聴色の便箋
夕方の下校時刻。
殆どの生徒は下校していて
下駄箱に生徒はあまりいない。
くしゃ
番号の無い、私の下駄箱。
私を知らない、クラスの下駄箱。
「…紙?」
気付かなかった。
気付かずに潰してしまった……
「花織?なにしてるのー?」
下駄箱の横から
白石(しらいし)鈴音(すずね)が
ひょこっと顔を出した。
「なにそれ?」
ぴょんっと私の横まで来て覗こうとする。
「なんでも、ないよ」
私は笑ってごまかした。
2枚の大きさの違う紙を手にとって…
「ねーねーなにそれー?」
「す、鈴音ちゃん……」
これ、鈴音ちゃんにロックオンされてる…
「あだっ」
今まで私たちを黙ってみていた
神凪(かんなぎ)美天(みそら)が
「何でもないと言ってるのだから
何でもないのでしょう」
鈴音ちゃんの襟をがしっと掴んで言った。
「えー、気になる!」
鈴音ちゃんはばたばたして美天に怒られている。
こんな二人を見ているのはとても楽しい。
「あーもう!花織、笑わない!!」
二人のやりとりは私の楽しみのひとつ♪
殆どの生徒は下校していて
下駄箱に生徒はあまりいない。
くしゃ
番号の無い、私の下駄箱。
私を知らない、クラスの下駄箱。
「…紙?」
気付かなかった。
気付かずに潰してしまった……
「花織?なにしてるのー?」
下駄箱の横から
白石(しらいし)鈴音(すずね)が
ひょこっと顔を出した。
「なにそれ?」
ぴょんっと私の横まで来て覗こうとする。
「なんでも、ないよ」
私は笑ってごまかした。
2枚の大きさの違う紙を手にとって…
「ねーねーなにそれー?」
「す、鈴音ちゃん……」
これ、鈴音ちゃんにロックオンされてる…
「あだっ」
今まで私たちを黙ってみていた
神凪(かんなぎ)美天(みそら)が
「何でもないと言ってるのだから
何でもないのでしょう」
鈴音ちゃんの襟をがしっと掴んで言った。
「えー、気になる!」
鈴音ちゃんはばたばたして美天に怒られている。
こんな二人を見ているのはとても楽しい。
「あーもう!花織、笑わない!!」
二人のやりとりは私の楽しみのひとつ♪