君の星、僕の星
が、アヤに切り出されたのは予想と180度違う話だった。


「……妊娠してなかったの?」

「うん」


心の中でガッツポーズをとってしまう自分が最低すぎて笑えた。
視界が急に開けた気分だ。

アヤとはこのまま別れるしかないが、遅かれ早かれどこかでそうなっていただろう。

今夜はいつもより妻に優しくできそうだ。



「良か、ったー……」



頭の中はすっかり浮かれて、金を返すといったアヤの申し入れを断った。



「時間を無駄にさせた事は間違いないからさ。今までのお礼に取っといて」



そう言った瞬間、顔面に封筒が飛んできた。
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