君の星、僕の星
それから定期的にクリニックに通い続けたが、赤ちゃんは授からなかった。

そのうち片方の卵管が詰まり気味である事も指摘されそちらの治療も進める事になり、不妊治療を最優先すべく結婚してからも続けていたアクセサリーデザイナーの仕事を辞めてしまった。


本当に私達は親になれるのだろうか?
無事に子供を授かれる日がくるのだろうか?


先行きの見えない治療に対する不安と焦りから英俊に八つ当たりしてしまう夜もあった。
投与されているホルモン薬の影響で体重が増え続けている事も、私の心に暗い影を落とす。




英俊の浮気に気が付いたのは、まさに挫けかけていた頃だった。
< 110 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop