君の星、僕の星
式が終了した後の教室はいつものように騒がしかった。
緊張から解き放たれ、皆の顔にも安堵が広がっている。


泣いている生徒は一人もいなかった。
今時の高校生は大人が思っているよりもうんとドライだ。

親しい友だちと別れる寂しさより、これから訪れるであろう新しい何かに対する漠然とした期待感で胸がいっぱいなのだ。


私もクラスメイトの卒業アルバムに寄せ書きをしたり、一緒に写真を撮ったり、時には抱き合ったりして最後の時間を過ごしていた。


「はい、お疲れさんでしたー。」


担任が教室に入ってくると、皆が一斉に自分の席についた。

最後のホームルームが始まる。
これからそれぞれの道に進んでいく私たちへ、テンプレート通りの励ましの言葉が贈られた。



「んじゃ、この辺で特別ゲスト。」



短い話が終わり、担任の手が廊下に向けられる。
皆の視線がその先に集中した。
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