君の星、僕の星
ピンコン、とチャイムが鳴った。

一人暮らしを始めて三ヶ月が経過し、耳にもようやく馴染んできたその音。
こんな日曜の朝っぱらから、誰かが訪ねてきたらしい。


「ん……?」


狭いワンルームなので、ベッドの上からでも玄関が見える。
半分こじ開けた目で扉を睨みつけた後、手放しかけた夢の輪郭をもう一度掴もうとする。

が、二度、三度と鳴り続くチャイムのせいで既に眠気は吹き飛んでしまったようだ。


渋々立ち上がり玄関へ向かう。


上下共に寝間着のスウェットだが構うもんか。
この時間に訪ねてくる朝型人間は、俺の周りに一人しかいない。
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