君の星、僕の星
アヤとは同じ大学に入学し、講義で席が隣同士になった事をきっかけによく話すようになり、度々行動を共にしていた。

気の合う友達。
今のところそれ以上でも以下でもない。


「じゃあ牡羊座のところ読んであげる。今月の牡羊座の運勢はね……」


アヤは異常なほどの占い好きだ。
いつも今月の運勢がどう、ラッキーアイテムがこうだとそんな話ばかりしている。

そしてそんな話の大半を聞き流しているせいで、彼女が特に気に入っているという占い師の名前を何度聞いても覚えられない。


高田ジュリエッタ。だったかな?



「今月は素直に行動するといいらしいよ、達也!」



いつでも機嫌が良い彼女は、弾むように話す。
占い談義も終わったようだ。
俺は皿に一かけら残ったパンを自分の口に放り込んだ。


「俺、今日約束あるんだよね。高校の時のやつと」

「あ、そーなの?」

「そっちは休日に友達と遊んだりしないわけ」

「私、女子に嫌われるタイプだからなぁ。」
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