君の星、僕の星
「あのさ、」
翌日、アヤと並んで講義を受けていると終わりのチャイムが鳴ると同時に男が話しかけてきた。
目線から察するに、用があるのは彼女だけのようだ。
「ちょっといい?」
見覚えのない顔だ。
少なくともうちの学部の一年生ではない。
小綺麗なTシャツにスキニージーンズという格好の細身の男は、俺を一瞥した。
その目は席を外せ、と言っている。
……またかよ。
心の中で舌打ちをし、荷物を手に立ち上がった。