君の星、僕の星
うちの大学はバリバリの理系で、男子よりも女子の数が圧倒的に少ない。


俺たちが所属する学部は中でもマニアックな分野で、同学年120人のうち女子が2人しか在籍していなかった。
アヤと、もう1人だ。

このもう1人の女子は名前も覚えていないほどに影が薄い。
黒髪でメガネをかけた、堅物そうな女だった気がする。


というより学内で見かける女子のほとんど全員がそんな印象だった。

茶髪でいつもひらひらしたワンピースやスカートを身につけているのはアヤだけだ。
可愛らしい顔立ちと人懐っこい性格も相まって、入学当初から彼女は学内の男子の注目の的だった。



そんなアヤが
俺といるのは、何でだろう。



「ごめんごめん、達也」



教室を出て廊下を歩いていると、アヤが後ろから走り寄ってきた。
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