君の星、僕の星
彼女にとって特別な存在になりたい訳じゃない。
と、今日までは確かに思っていた。


でも他の男と楽しげに喋るアヤを目の当たりにして
野球ボールを追いかけていた頃には知りもしなかった、尖った感情に
胸も頭も支配されている。



「何なんだよ……」



ベッドに寝転び、自宅の天井に向かって呟いた。



相手の言動に一喜一憂させられて
会えない間も胸に住みつかれて。


俺の知らないあいつを知ってる奴が羨ましくて
俺の知らないあいつを知っていく奴が恨めしい。


いつの間に、こんな風になってしまったんだろう?


人を想うという事が、こんなに疲れるものならば
やっぱり俺には向いてない。
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