君の星、僕の星
翌日は昼からの講義だった。

大学に到着しても授業が始まるまでにはまだ余裕があったが、他にやる事も思いつかない。

てっきり一番乗りだと思っていたが、教室の入口に近付くと中に人影が見えた。



「……話しかけないでもらえますか?あんまり気が合わなさそうなので」



耳に飛び込んできたのは刺々しい女の声だ。
思わず足を止める。



「あなたみたいに男の人と仲良くしたいがためだけに大学に来た訳じゃないんです、私。」



な、何だこの修羅場?

一瞬だけ中を覗き、息を呑む。



「女子が二人だけだとしても、私は特にあなたと友達になりたいとは思ってないですから。」



向かい合っているのは、どちらもうちの学部の女子だった。
アヤと、もう1人。

その名前も知らないもう1人の方の女子は、アヤにそう言うなり俺がいる反対側のドアから教室を飛び出していった。
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