君の星、僕の星
翌日。
私は大学の廊下に立っていた。

古い校舎の廊下は、冬になるととても寒い。
両手に息を吹きかけていると講義の終了を知らせるチャイムが鳴った。


一斉に出てくる学生達。

私に気が付いた達也は、驚いたような顔で足を止めた。


「ビビったー。どしたの」

「……待ってた」

「え?」


達也の視線を感じるが、何となく目を合わせられない。


「今日バイト無いの?」

「無いよ。達也は?」

「俺も休み。飯でも食うか」

「うん。一緒に作ろう。」


達也は小さく微笑んでくれる。
それだけで救われたような気持ちになる。
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