君の星、僕の星
持っていた買い物袋が床に落ち、中身が辺りに散らばる。

それを伝える隙もないほど激しく、達也は口付けてくる。


「ちょっ…と待って、苦し……」


思わず胸を叩くと、背中に回された手の力は何故かますます強くなる。

いつもと違う噛みつくようなキスに戸惑いながらも受け入れるしかなかった。



「……俺は、」



ようやく離された唇の先で、震えた吐息が混じり合う。



「いつだって会いたかった。」



何も言えない私の手を
達也が乱暴に引いた。
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