君の星、僕の星
「……」
バックミラーで確認すると、アヤはまだ降ろした場所に立ち尽くしていた。
その視線から逃れるようにアクセルを踏み込み、本来曲がる場所のひとつ手前の交差点で右折する。
空になったスーツの胸ポケットには、封筒の重みが感覚として残っている。
「堕ろせって事?」
うっすら涙が浮かんだアヤの瞳を思いだす。
俺は今、彼女の体も心も傷つける事を要求している。
自分でも信じ難い現実を前に、良心が痛まない訳はない。
……こうするしかない。
こうするしかないんだ。
必死で自分に言い聞かせながら家路についた。
バックミラーで確認すると、アヤはまだ降ろした場所に立ち尽くしていた。
その視線から逃れるようにアクセルを踏み込み、本来曲がる場所のひとつ手前の交差点で右折する。
空になったスーツの胸ポケットには、封筒の重みが感覚として残っている。
「堕ろせって事?」
うっすら涙が浮かんだアヤの瞳を思いだす。
俺は今、彼女の体も心も傷つける事を要求している。
自分でも信じ難い現実を前に、良心が痛まない訳はない。
……こうするしかない。
こうするしかないんだ。
必死で自分に言い聞かせながら家路についた。