この中に、殺人鬼がいます。
それより、先生の言っていることの意味がわからないと言った様子だ。


チラチラと周りを見渡す。

クラスメイトのヒツジが、ガタガタと震えていた。

...なんで震えてるんだ、あいつ?

あいつが、殺人鬼なのか?

だから、震えてるんじゃないか?

殺人鬼ならば...殺さなければならない。

俺はゆっくりと、お道具箱からカッターナイフを取り出し、ポケットに忍ばせた。

不思議と、怖さはなかった。

トイレに行きたくて、家に帰りたくて、

それしか考えられない。

...人間というのは、極限状態に陥るとここまでそのことしか考えられなくなるのだと知り、怖くなった。

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