この中に、殺人鬼がいます。
俺の発言以来、誰も手を挙げない。

何をいえば帰してもらえるか、考えているのだろう。

俺はもうさっきから、何も考えられない。

トイレに行きたくて、もう、無理だ。


その時だった。

先生が突然こう言った。

「わかった。誰も白状しないというのなら俺にも考えはある。

みんな、犯人だと思うやつを殺せ。

犯人がいなくなれば犯人探しをする必要はないから、みんな帰れるだろう。」


みんな、なにも言わない。


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