好きなのに
『いいよ、怪我はない?』

彼はさっきとは、違う雰囲気でとても
優しそうな笑顔で笑いかけてきた
さっきは、しっかりと顔が見えなかったが、相手が近づいてきたため顔をハッキリと確認することが出来た
男の俺から見てもかなりのイケメンだ、綺麗な栗色の
髪の間から見える漆黒の瞳は、とてもキレイで
目を奪われてしまった。

『どうかした?』

いかん、つい見つめてしまった!

『だ、大丈夫!何でも無いです!』

『そっか、じゃあ予定があるから行くね』

彼は腕につけた時計を見て去ろうとしたため
慌てて引き止めた

『まって、お礼したいんだけど』

『いいよ大した事してないから』

『なんていうか、いたたまれないから!』

男のクセに助けてもらったわけだし

『じゃあLINE交換する?今日予定あるから
返信遅れるかもしれないけど』

『あっお願いします』

LINEを交換し、彼を追加した
名前は逢坂 水月(おうさか ゆずき)というらしい

かなり急いでいたのだろう逢坂さんは急ぎ足で
その場を去った
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