アイビー。
「俺はね。…高二の時、好きな人が出来ちゃったんだ。」
ポツリ、とおじさんが話す。

「真依よりも守りたいと思う人が出来てしまった…」
「…」
「それが壱の母親だよ。…俺は、彼女を守るために真依を手放したくせに…どっちも、守れなかった。」

笑顔で語るおじさんの心は、きっと泣いていて。

「壱が守るのが、蒼依ちゃんでよかった」
と。
「蒼依ちゃんが無事でいてくれてよかった」

そう、おじさんはやっぱり笑った。

ずーっと笑顔で話すおじさんは。
「壱は、美月にそっくりだ」
って嬉しそうに言った。
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