アイビー。
番犬
用事はなかった癖に、ぼーっとしてたら結構な時間で。

カバンを持って慌てて学校を出る。

うわ、暗くなってる…。

久々に1人で歩く帰り道は、
いつもより長く感じて。



やっと家の前まで来て、玄関に入ろうとした瞬間。

「…結月…?」

「え?」

後ろには背の高い男の人。
「どちら様で…」


誰か尋ねた瞬間。
体が、

宙に浮いた。

いや、

吹っ飛ばされた?


痛い。
体がじんじんしてる。
手は体重を受け止めきれなくてガクガクしてるし。

男の人はゆらゆらこちらに向かってくる。

「…ぁ…」
助けてって叫びたいのに声が出ない。


…この人、

糸が…切れてる?
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