如月探偵事務所‼︎①〜謎の力と仲間達〜

「もう逃げられないぜ。お嬢ちゃん」

モヒカンヤンキー達が
ジリジリと近づいてくる。


ヤバい。逃げ場無い。


サーっと身体の血の気が引いていく




あ…ヤバい…血の気が引来すぎて

目が回りそう






「目を瞑って。絶対開けないで

俺が良いって言うまで」



いよいよ幻聴まで聞こえましたよ…


にしても聞き覚えがあるよーな


あぁ…ダメだ私…
とうとうおかしくなった…?


そう思うと同時に


「ふぁっ!?」


目が何かに覆われる



え!?何!?


微妙に暖かい?



すると耳元で

「目、瞑ってって言ったのに」

さっきの声が聞こえた


ふわっと一瞬体が軽くなったかと思うと

すぐに身体に元の重力が戻り

ズシンっと重くなった。




耐え切れなくて
思わず前によろめいてしまった



「ごめんごめん。大丈夫かい?

初めてはキツイよね〜。」


そう言ってまたあの声のする方を見ると


「あ‼︎病院の‼︎えっと…えっと…」


目の前には病院にいた3人組のうちの

1番普通っぽい人がいた。

濃ゆい茶髪で
顔はすごい整ってる…。
いかにも元気ですって顔…。


「冬雅だよ‼︎東雲冬雅‼︎」

少し怒ったように言った


でも可愛い


「あ。オムライスの人…」


「そうそう!って
オムライス好きって言ったけど
なんでそれは覚えてるのっ?!」


驚く冬雅を見ながら

その冬雅の周りの風景が見えた



「え…アレ…ここ…」



今さっき私がいたのは


確か路地のどこか。



でもここは


普通の道で、


ずっと下に川が見える。




え。え?。え?!。

「ふふーん。凄いでしょ〜
僕がダッシュでビュビューンと
ここまで連れてきたんだよ〜」

笑顔で言う



けど…

絶対違うよね…これ。
そんなに早く移動できるわけないし
そんな感覚なかった


「本当は?」


真剣な顔で聞く私に驚いて

冬雅君も真剣な顔になる


「ありゃりゃー。
やっぱ通じないか〜。


実は僕ね…?」


ゴクリ。


「超能力者で〜瞬間移動出来るんだ‼︎」

万遍の笑みでいった










…………………………………………ん?







長い沈黙の後
ようやく私の頭が追いついた


「え?何言って…」

「うっそーん。
そんなのあり得るわけないじゃん?」

そう言ってまた元気な声と笑顔。


でも少し寂しそうな笑顔





そ。そうだよね…?


そんなことありえるわけないもんね



そう言い聞かせながらも



嘘だと思えない私がどこかにいた
< 11 / 17 >

この作品をシェア

pagetop