如月探偵事務所‼︎①〜謎の力と仲間達〜
ミーンミンミン ミーンミンミン

蝉の合唱
背丈より高いひまわり達に囲まれ
私は赤い道を歩き出す


クルクル回る風車

止まりそうになり
もう1度息を吹きかける

「フーッ」


クルクル


カラフルな色が混ざり出す


「おーい、さな‼︎置いてっちゃうよー」


向こうで私を呼ぶ声がする
元気な男の子

あれは……

「待ってよーっ」
急いで駆け寄る。

「早くこーい」
眩しい笑顔。太陽と重なって
表情が上手く見えない…けど

きゅって胸のあたりがおかしくなる

「………がいるから大丈夫っ」
笑顔で返すと
「仕方ないなぁ
俺が一生お前の面倒見てやるよっ」
少し照れながらも暖かい手が私の頭を撫でた

「ほら行くぞっ」
2人は手を繋ぎ
ひまわりに囲まれた赤い道を進んだ






ピピピピっ ピピピピっ


「ん、ん〜」
重たい瞼を開けて辺りを見渡す

目覚まし時計は…

ぼやける視界のなか時計を見る

7:00…


もう朝か…いつの間にか寝ちゃってた

ポーっと、天井を見上げる

さっきの夢は…
昔のことだよね。
全然覚えてないけど懐かしく感じる。
あの子誰だっけ…思い出せない…


「ま、いいかぁ」


重たい体を起こしてリビングに向かう

「長い間寝てたわね〜」
お母さんがそう言いながらご飯を作っている

「いつから寝ていのか全然覚えてない…」
あくびをしながらそう答えた

ドタドタドタ
奥からものすごい足音が…

「おい!さな!
どこか痛いところはないか?
具合悪くないか?大丈夫か?」

青い顔で私に尋ねてきた。


「全然大丈夫だよ」
「そうか…良かった…」

あれ?
私昨日なんかあった?

昨日の事を頑張って振り返って見る

携帯の場所を聞きに
お母さんのところへ向かってると
途中でヤンキーに追いかけ回されて…
どう言うわけか冬雅くんたちに助けられて…



あ…



葵くんにお姫様抱っこされた‼︎
しかもそのあとから記憶がない‼︎
え。私あの後寝ちゃってたわけ?!


うそだ…
サーっと血の気が引いたのが分かった
クラクラする

「おい!本当に大丈夫か」

「大丈夫じゃないかも…
私とんでもない事を
しでかしたかもしれない…」

「な、なんだとぉぉぉ?!」

みどりにぃがそれを聴くと
血相変えて家を飛び出して行った。


「朝から元気ねぇ」
卵のいい匂いを漂わせながら
お母さんはそう言って笑った
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