つめたい彼












「…友達?そんなのでいいの?」








「うん。
私、ずっとここにいるけどここにはお爺ちゃんやお婆ちゃんが多くて…若い友達がいないの」








「なるほどね。…僕でいいの?」







「うん、いいよ」








「わかった。友達になろう」










たとえこの人が極悪人でも私は病院にいるしかないし

なにがあれば看護婦さんを呼べばいい



できるだけ楽しもう








「ねぇ、あなたは誰なの?」






「僕はアオイ」







「へぇ…私は未央
よろしくね、アオイ」






「うん」








続く沈黙

気まずい




いきなり友達になって

話そうだなんて無茶よね…







「そうだ、絵描ける?」







「絵?うん、かけるよ」







「絵しりとりしようよ
それなら言葉がなくても、話さなくても楽しめる」







なるほど




「うん、いいよ。楽しそう」








実は私は絵が得意

けれどアオイは決して上手くはない

全てカクカクしてて…でもなんか味がある
見ててすごく面白かった





その後も絵しりとりやクイズ…



色んな事をして遊んだ



まだ小さい私にとっては、そんな些細な遊びでもすごく楽しくて嬉しくて



初めてだった



こんな気持ちは









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