命の祈り【仮】
わたしとせいやは出逢ったあの場所へ行った。
あのときのベンチへ座り二人で話した。
「わたしね、ずっとせいやを探してたの。」
「なんだよ。俺のこと呼び捨て?」
「あ、ごめんなさい。」
うつ向いて謝るとせいやは笑って
別にいいよ、と言った。
それがなんだか嬉しかったのはきっと...
きっとせいやが好きだからだ。
そう確信した。
初めての恋。だけど、先の短いあたしは
告白なんてできなくて...
それがとてももどかしかった。
どうしていいかわからずわたしは
ずっと無言だった。
恋愛とは、恋とはこんなにも苦しいのか...
ああ。もっと早くに出会いたかったよ
わたしは涙を拭い必死にこらえて
せいやの顔を見ないようにしていた。
だって見たら自分のこの先を伝えてしまいそうだから。