混沌の彼方
海沿いの並木道の突き当たりは
丘だった。
白い花が一面に咲いている。
僕はそこに腰をおろして
ごろんと寝転がった。
僕の真上を
白い雲が形を変えながら流れていく。
さっき見た雲と同じ雲は
もう二度と見れないんだ,と思うと切なかった。
時間の残酷さが
僕の体の隅々まで沁み渡り
不思議な鈍い痛みとなる。
機械の僕が息を吸うこの瞬間にも
何人もの人間や動物が生まれ
死んでいるんだ。
メニュー