混沌の彼方
僕は素早く立ち上がり
深呼吸した。
冷たくも暖かくもない空気が
僕の肺を満たす。
ふと振り返ると
今まで僕が寝転がっていた下にも
小さな白い花が咲いていた。
僕の背中に潰されたにもかかわらず
咲いている。
こういうのをひたむき,とかいうんだろう。
僕もこの花くらい
強く生きていれればいいのに,と思った。
結局のところ
僕はものすごく弱い。
死ぬことにおびえるくせに
何もできないでこんなところで迷っている。
弱虫もいいところだ。