蘭王と1輪の黒百合
首を縦に振る 男の子。

よかった…


「喉乾いてるよね?飲む物持ってくるね?」

立ち上がろうとすると ギュッ


私の指を小さい手で掴み 離そうとしない。



「行かないで…」

小さい弱々しい声でそう呟く 男の子。
目には涙を溜めていて 今にも溢れそうだ。


「分かった。行かない。側に居るから。」

そう言うと男の子は落ち着いた表情を見せた。


「すみせん東城さん。私離れられそうにないので 何か飲み物を持ってきてくれませんか?」
< 73 / 223 >

この作品をシェア

pagetop