いちばん
プロローグ
初めて会ったのは、真夏の体育館の中で。
普通の私だったら面倒で、絶対と言えるぐらい行かなかったと思う。

その日は、中体連で、色んな部活で最後の試合があってた。私の姉は写真部で応援をかねて各部を回ってて、最後の日はバスッケト部の写真を撮ると言って朝早くから出かける。

朝早くて、お弁当が出来上がる前に出かけてしまった。
母から、場所を伝えられ私は、お弁当を片手に暑い日差しの当たったアスファルトの上を歩く。
じんわり汗が滲む。

体育館の近くに来ると、人の多さや応援の歓声に驚く。
ともちゃんはどこだろう?
姉ちゃんのことは、小さい頃の癖で、どうしてもともちゃんと呼んでしまう。

”人が多すぎて探せないよ~”
一人で困ってしまう。取りあえず動いてみないと。



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