いちばん
キーン・コーン・カーン・コーン

チャイムが鳴り、担任が入ってきた。

「今日から、1組の担任をする、山下 大和だ。よろしくな。」

゛先生は何才ですか~?″
生徒たちが質問していく

「35才だな。教科は、数学な。部活はバスケ部の顧問してるから。」

先生は簡単に自己紹介をしていく。

へぇ~バスケ部の顧問なんだ。
あの時会った先生は、顧問してないのかな?
前の時、名前聞きそびれちゃったし探しようがない。


担任に、出席順に名前を呼ばれ、皆返事していく。

「じゃあ、これから体育館に移動して、入学式があるから。」

入学式か。長そうだな…

「なつ、移動。」
翼に声をかけられる。
「うん。分かった。」


長い廊下を歩き、体育館向かう。

「新入生は花を付けて、入口に並んで~」
先輩に声をかけられ、花を渡される。

ピンク色のマーガレットだ。可愛い。


音楽に合わせ、歩く。
「なつ、なつ、手と足一緒に出てる。ずれてる。」
翼に小声で声をかけられる。
「うるさい、少し緊張してるの。」

何か、こういう場になれなくて、上手く歩けない。

あと少しで、イスに座れるというところで足がもつれた
あっ、倒れる…、

「痛っ、くない?」
思っていた衝撃が来なくて、目を開けると
「大丈夫?なっちゃん。」
「先生。」
あの時の先生に抱えられてました…。


恥ずかしくて顔がぶわっと熱くなるのを感じた。

「ごめんなさい。重いので下ろしてください。」
「重くないから、楽にしてて。」

先生は、私を抱えたまま、イスのところまで歩き、イスにぽすっと乗せられた。

「あとは、校長先生の長い話を聞くだけだから、大丈夫。」
優しく声をかけられる。ちょっと冗談も言いながら
「ありがとうございました。」

本当、先生には助けられてばっかっりだな。


何とか、無事に先生のおかげで入学式は終りました。


体育館を出るときは、緊張もとけて、足ももつれずに歩けました。






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