いちばん
「なつ、あの人知り合い?」
翼が教室に戻る途中、聞いてきた。

「うん、こないだね。姉ちゃんに弁当届けた時に会ったの。」
「へ~。」
何か、翼は難し気な顔をしてる。

「まだ、名前聞けてなくて、とりあえず先生って呼んでる。」

「こら、さっさと教室に入れ~」
担任が生徒たちに声をかける。


席に着くと、時間割を配られる。
「明日、忘れ物がないようにな。あと係りも決めるから、考えとけよ!」

係りか~、何にしよう。


ホームルームも終わり、生徒たちは教室を出ていく。

「なつ、部活の見学行こう。」
「うん、ちょっと待って。」

教科書、プリントをバックに急いでつめる。

新しい教科書重いや…。


体育館に向かって歩いていると、翼に声をかけてくる人がいた。
「あの、連絡先教えてもらえませんか?」
お!
なかなかの可愛い子だ。頑張って声かけてるんだろうな~
声が震えてる。


「lineでもいい?」
「はい、ありがとうございます。」

うん、うん。翼は爽やかボーイのイケメンだ。

女子たちも嬉しそうだ。

「そういえば、なつはまだスマホ買わないの?」
翼が振り返りながら聞いてくる。

「へ?もう持ってるよ」
「え?ウソ。」
カバンからスマホを取り出す。

「じゃじゃーん!春休みに買ったから、まだ家族の連絡先しか入ってない。」
「なつ…。そういうのは早く言ってくれ、とりあえず連絡先教えて。」

何か翼、不機嫌?

「まだ、慣れてないから、交換の仕方分からない。」
「貸してみて。」

翼は簡単に、スマホを迷いなく動かしていく。
「出来た、連絡先と、あとlineのアプリも入れといたから」
「ありがとう、翼スゴイ。」



目的地の体育館に着く。








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