いちばん
「じゃあ、右端から引いていけ~」

先生が、係り名が書かれたくじを生徒に渡す。

私は、ひたすら図書係になりたいと願う。

図書、図書、図書…。



他の子達は、あ~。とがっかりしている子もいて…。


まだ、クラス委員のくじを引いた人はいないみたいだ。

やっと自分の番が来て…。

「なつ。クラス委員になったら、よろしくね」
隣の翼が声をかけてきた。

「ばか、私は図書係になりたいの!」

よし!
頑張るぞ~
箱に手を突っ込み、くじを引き、薄目で内容をみてみると…。





赤い文字で書かれた、当たり。
「へ?当たり?何これ」

「お~、松尾はそれ引いちゃったか~。」
担任が笑いながら、声をかけてきた

「それは、先生の補佐係だから、クラス委員じゃ賄えない分をお願いする係り。」
え?

それって、つまり、クラス委員と変わらなくないか

何か、隣の翼も笑ってるし

はぁ、ありえない。



ちなみに、女子のクラス委員は、私の後ろの席の
夏目 美香ちゃんに決まったのでした…。






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