いちばん
「おはよ、なつ!」
背中をぽんっと押される。
おっと…
「おはよう、翼。」
松岡 翼。保育園からの幼馴染だ。
「背伸びた?学ラン似合ってるよ。」
「ん~、3㎝ちょいかな。伸びたよ。ありがと。」

相変わらずのイケメンさに、これは中学生になってもモテるなと思う。
「なつと同じクラスだといいな。」
「うん、そうだね~、一緒だったら、また勉強教えてね。」
「それは、一緒じゃなくても、教えるから。」

翼は笑いながら答えてくれる。

学校の門をくぐると人だかりがあった。
なんだろう?

「あっ、クラス表張り出されてるな。」
隣の翼が目を細めながら言う。
「そっか。じゃあ、見に行こう。」

見に行こうと、人だかりの側まで来たのはいいけど…。
多すぎて、見えません!!
ちょっと背伸びしてみたり、隣の翼にばれないようにジャンプをしたけど
ムリだな。

「なつ、俺と一緒の1組だな。」
「あっ、本当?良かった。人が多くて全然見えなかった。」

「マジか、言ってくれれば良かったのに、てかなつが小さいだけなんじゃね?」
「翼のバカ。私はちっちゃくないし…。」

「ごめん、ごめん。教室に行こう。」

教室に向かってると、校庭にある桜の木が風で揺れてた

「翼、桜キレイだね。」
「うん、そうだな、これからもよろしく。」


桜は風に揺れてたけど、暖かい日差しもあって全然寒くなかった。










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