私限定の甘さ
「そ、そういえばさ、高木はいつもパンなの?」
「ん〜。ほとんどパンかな。
母さん、忙しくて弁当とか作る余裕ないし…」
そっか…。
じゃあ……
「私が、これから作ってこようか?」
高木は、急にガタッとイスを鳴らして立ち上がった。
「えっと…迷惑なら断っていいよ?」
「ち、違うよ!!
嬉しいけど…本当にいいの?」
「毎日、自分の作ってるから一人分増えても大丈夫だから。気にしないで?」
私がそう言うと高木は、すっごい幸せそうに笑った。
「これから毎日、愛ちゃんのお弁当食べられるなんて、俺、世界一の幸せ者だ…」
私は『くすっ』と笑った。
「大げさだなぁ!」