私限定の甘さ

「教えてよ」

…こうなったら怜はしつこいし。

しょうがない、教えるか…。

「分かったよ。教えるよ。」

少し嬉しそうな顔をする怜。


「西野を心配している姿をたまたま見て優しい子だなって。それから怜を見ているうちに少しずつ好きになっていった。」

今も忘れられない。

怜が屋上で1人で泣いていたところを。

『力になれなくてごめん』って呟きながら。

その姿があまりにもいじらしくて…綺麗で。

きっと一目惚れだった。

でも、このことを言ったら怜は怒るだろうから

この話は内緒。

「ふーん」

パッと見たら無表情に見えるけど、

よく見ると若干口元が緩んでいる。

それに顔が赤いし。
< 205 / 413 >

この作品をシェア

pagetop