私限定の甘さ
「教えてよ」
…こうなったら怜はしつこいし。
しょうがない、教えるか…。
「分かったよ。教えるよ。」
少し嬉しそうな顔をする怜。
「西野を心配している姿をたまたま見て優しい子だなって。それから怜を見ているうちに少しずつ好きになっていった。」
今も忘れられない。
怜が屋上で1人で泣いていたところを。
『力になれなくてごめん』って呟きながら。
その姿があまりにもいじらしくて…綺麗で。
きっと一目惚れだった。
でも、このことを言ったら怜は怒るだろうから
この話は内緒。
「ふーん」
パッと見たら無表情に見えるけど、
よく見ると若干口元が緩んでいる。
それに顔が赤いし。