私限定の甘さ

顔を真っ赤にしながら怒る怜。


「だって、怜が可愛すぎるから」


ニコッと笑いながら言うと、もっと顔が赤くなった。


「…ばか」


じっと俺を上目遣いで見つめる。

…可愛すぎるだろ。

俺はもう1度怜を抱きしめ、怜に唇を近づけた。

怜は、ギュッと目を閉じていた。

唇と唇の距離はわずか5cm。


──バンッ

あと少しってところでドアが開いた。

と、同時に俺は怜に突き飛ばされた。


「ただいま〜!!怜の好きなお菓子買って…きた……え、なにかあった?」


不思議そうな顔をして立ち尽くす西野。

その後ろには、怪訝そうな顔をしている俊。

それもそうだ。

真っ赤な顔をして俺を睨む怜。

そんな怜に突き飛ばされたままの体制の俺。

どうみても不自然だ。
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