私限定の甘さ

「あ、愛…ちゃ…ん？」


私が困っていると、前から高木が走ってきたけど、急に立ち止まった。

…あれ？

どうしたのかな？


「あの…高木？」


私が呼びかけると高木の顔は真っ赤になっていた。


「…ちょっと待っててね」


そう言って走って行った。

…やっぱり、似合わなかったんだ。

ビキニなんか着るんじゃなかった。

目には涙が浮かんできて、視界がぼやーと見える。

私は、慌てて涙を拭う。

…こんなことで泣くなんて。

私ってこんなにも泣き虫だったかな？

ボーッとその場に立ち尽くしていると、

後ろからトントンと肩を叩かれた。

もしかして…。高木？

そう期待して振り向いた。