私限定の甘さ

えっと…。

2人でジェットコースター乗ったよね?

さっきウォータースライダー乗ったよね?

どっちも乗るの嫌がらなかったよね?

…でも、思い返せばおかしいところがいくつかあったかも。

顔が青ざめたり、ウォータースライダーで落ちる直前にくっついた時心臓の音すごかったり。


「…苦手なら言ってくれればよかったのに。」


「だって、愛ちゃん乗りたそうだったし。
そんなだせぇこと言えなかった。」


「でも、それで具合が悪くなるなら意味ないよ。」


「ごめん…
俺、ダサいよな。
愛ちゃんにかっこ悪いとこ見せたくなくて無理して乗ったら具合悪くなるなんて」


悲しそうに笑う俊。


「俊、馬鹿みたい」


「え?」


私がそんなこと言うとは思わなかったのか驚く俊。


「私はそんなことでかっこ悪いなんて思わない。むしろ嬉しいよ。苦手なのに無理してでも私のこと考えてくれて。
かっこ悪いわけないじゃん!
むしろ、かっこよすぎだよ」


だって、普通ならそこまでしないよ。

無理してまで私を楽しませたいって思ってくれてるんでしょ?

そんな優しい人をかっこ悪いなんて思うわけがない。
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