私限定の甘さ
「えーと、今年の文化祭なんだけど、うちのクラスでやるのを決めたいと思います。」
教卓の前に立ち、みんなの前でそう大声で言う委員長。
「もうそんな時期か…
私、イベントとかあまり好きじゃないんだけど…」
私の前の席の怜は私のほうを向き、不機嫌そうな顔でそう言う。
「あはは…
でも、せっかくのイベントなんだから楽しまないと!!
私、怜と一緒だからすごく楽しみ!」
ニコッと怜に笑いかけてそう言う。
だって、親友がいると楽しさ2倍だと思う。
怜といっぱい思い出つくりたい!
…もちろん、俊とも思い出つくりたいし!
「…まぁ、そう言われると楽しみじゃないとは言わないけど」
「ふふ。
素直に『楽しみ』って言えばいいのに」
怜ったら素直じゃないなぁと笑いながら
話していた。