私限定の甘さ
「委員長、私と愛もメイド服着るわ」
怜は委員長のほうに体を向け、そう言った。
「ほ、ほんと!?すごく助かるよ!
2人がいるなら人気も出るだろうし!」
い、委員長まで!
怜はともかく私までそんなふうに言うってことは…。
きっとお世辞なんだろうな…。
そんなことを思っているうちに、他の女子も決まり、とりあえずメイド服を着る子はなんとか決まった。
「えーと、次は…と。
男子の執事服を着る人を決めたいと思います
誰か着てくれる人いませんか?」
委員長がそう聞くけど、誰も立候補しない。
このままじゃ決まらないと困っている委員長。
「なかなか決まらなそうなので…くじで決めようと思います。」
「はぁー!?」
「嫌だし、そんなの」
男子が口々に文句を言うけど、委員長が、
「なら誰か立候補する人はいますか?」
と、鋭い目で男子を見ると、静かになった。